「婦人科の診察はカーテンの向こうで何をされているかわからなくて怖い」
「性交渉の経験がないけど大丈夫かな?」
「恥ずかしいし痛そうだから婦人科は嫌だなぁ」
婦人科受診にこのような悩みはありませんか?
婦人科病棟に6年勤務した看護師があなたの悩みに答えます。
イラスト付きで医療用語を使わずに診察の内容を解説し、恥ずかしさや痛みを軽減して気持ちを楽にするコツを伝えます。ぜひ最後までお読みください。
1.婦人科の診察がこわい3つ理由

結論から言うと、こわい理由は3つだと思います。
- 1.診察内容がよくわからない
- 2.はずかしい
- 3.痛そう、痛かった
この記事で、今から怖さをやっつけましょう。
1-1.婦人科が怖い理由①何をされるかわからない不安
情報がなくて、よくわからないことって怖くないですか?例えば、手術とか。
手術前の患者さんの不安に関する研究では、パンフレットや写真を使って手術の流れや方法を説明されると不安が軽減する人が多かったという結果がでています。
婦人科の診察ってカーテンで仕切られていて見えないし、内容を調べると医療用語で書いてあったりしてよくわからないですよね。おそろしい想像が膨らんでしまうかもしれません。
知ってしまえば、こんなものかと気が楽になることもあります。
1-2.婦人科が怖い理由②はずかしさ
プライベートな部位の診察から、恥ずかしさをとても辛く感じてしまうと怖い気持ちにつながります。
1-3.婦人科が怖い理由③痛そう、痛かった経験
婦人科の病気がなければ基本的な3つの診察に強い痛みはないはずです。
痛みの研究では、「きっと痛いだろうな、こわいな」という予測からくる不安があると、痛いときに活発になる脳の領域が刺激され痛みを感じやすくなるという結果がでています。
つまり、診察の内容とリラックスするコツがわかれば、痛みを軽減できることが多いです。
2.婦人科の基本的な3つの診察


診察の内容を知ったらもっと怖くなるんじゃないかしら?



繰り返しになるけど、わかりやすい情報は、自分に起こることをイメージして気持ちを楽にすることにつながるよ。



そうかなぁ、こわいけど見てみるね。
2-1.婦人科の診察①膣鏡診(ちつきょうしん)


サイズ参考:クスコ膣鏡カタログ【公式】ナミキ・メディカルインストゥルメンツ
膣鏡診(ちつきょうしん)とは、
膣鏡(クスコが多い)という道具を使って子宮の入口などを直接見る診察のことです。
鳥に例えると、くちばしを閉じて膣に入れて、くちばしを少し開いて頭の後ろからのぞく感じです。
子宮の入口・膣の壁・おりものなどを見ます。
くちばしから子宮を確認して、子宮頸がん検診のための細胞をとったりします。
クスコってこんな感じ
- 1人ずつ交換するので清潔です
- 水をかけて滑りやすくしてから膣に入れます
- 金属製なので冷たく感じて驚くかもしれません
- 痛みが心配な方は小さいサイズもあるので、気軽に看護師に声をかけてくださいね
- 性交渉の経験がない方には、膣鏡診はしないことが多いです
(治療上必要なら1番小さいサイズを使います)
性交渉の経験がない場合でどうしても腟鏡診が必要な場合(異常帯下や不正出血が持続する場合,異物や子宮奇形を疑う場合)は SSS サイズのものや耳鏡などを用いる.
2-2.婦人科の診察②超音波(=エコー)


おなかのエコーは健康診断でやったことがある方もいますよね。
よくドラマで妊婦さんがお腹にあてて、赤ちゃんを見ているのが経腹(けいふく)エコーです。
婦人科では経腟(けいちつ)エコーといって、器具を膣に入れて診察するのが基本です。
卵巣の病気がわかっている場合などはお腹のエコーだけすることもあります。
子宮や卵巣の形や大きさ、どこかに液体がたまっていないか画像でわかり、診断に役立ちます。


経腟(けいちつ)エコーってこんな感じ
- 器具は親指ぐらいの太さ
- カバーは1人ずつ交換して器具を消毒します
- 所要時間1~2分
- 卵巣や子宮をみるために、前後左右に向きを変えるので押される感じがします
- 性交渉の経験がない方には膣から行わず、肛門から器具を入れて診察することがあります
性交渉の経験がない場合は経直腸超音波検査を選択する.
引用:引用:公益社団法人 日本産婦人科医会 婦人科的診察



おなかのエコーじゃだめなの?



子宮に近い位置で検査をした方が画像がはっきり見えて診断しやすいの
経腟超音波検査では、おなかに器具を当てて子宮の様子を調べる経腹超音波検査よりも器具が子宮に近いため、はっきりとした画像が得られます。
2-3.婦人科の診察③内診(ないしん)


内診とは、医師が膣に指を入れ、もう片方の手はおなかに当てて触る診察のことです。
お腹には触れず膣からの診察だけのこともあります。
両手で子宮や卵巣を挟むようにして、
- 位置
- 大きさ
- 形
- 硬さ
- 周囲とくっついてないか(動きづらくないか)
調べます。
性交渉の経験がない方には膣から行わず、直腸診(肛門から)をすることもあります。
他にも色々な名前のついた処置がありますが、基本的には説明した3つの診察に組み合わせて行います。
正直なところ痛い処置もありますが、患者さんに伝えてから同意を得て行うので安心してくださいね。
知らないうちにすごく痛いことをされるということはないはずです。
3.婦人科受診のときの恥ずかしさの対処法


はずかしい気持ちを消すことはできないかもしれませんが、やわらげる工夫はできます。自分に合った方法を考えてみましょう。
大事なことを伝えます。
はずかしさや怖い気持ちで辛い時は、遠慮なく看護師に声をかけてくださいね。
できる限りの工夫をします。看護師がそばにいることもできますので、一緒に乗り越えていきましょう。
3-1.女性医師を指名する
婦人科外来では、男性の医師が診察するときは必ず女性看護師が立ち会うようにしています。
男性医師と二人きりにならない配慮があるので安心してくださいね。
とはいえ、女性医師の方が安心な場合は希望を伝えておきましょう。
医師の在籍状況や診察の状況によっては希望通りにいかないかもしれませんが、言ってみる価値はあります。
3-2.タオルを使って露出を減らす
診察の直前までタオルをかけて陰部が見えないよう配慮しています。
私の経験上、診察でバスタオルを使わない病院に出会ったことはありませんが、心配な方は念のためタオルを持参してもいいですよ。
ポイントは、タオルを腰に巻くとお尻側が濡れたり汚れるかもしれないので、ひざ掛けのように上からかけるようにしましょう。バスタオルでもフェイスタオルでもOKです。
4.婦人科の診察時にリラックスするコツ


先ほども伝えましたが、「痛そう、こわい」という予測が脳へ伝わって、痛みを感じやすくするのでリラックスしましょう。
4-1.とにかく力を抜く
膣や肛門に何かを入れることが多いので、力を抜くために「ふー」と繰り返し息を吐きましょう。息を吐くことは痛みをやわらげることにつながります。
4-2.楽しいことを考える
簡単に言うと気をそらすということです。「このあと何食べようかな」とか好きな歌を脳内再生するとか、いかがでしょうか。
4-3.カーテンを開けてみる
はずかしさや不安をやわらげる目的で、診察時は患者さんと医師の間にカーテンがひかれています。
逆に、何をされるか見えた方が安心という方もいます。
カーテンを開けても診察に支障はないので、希望の方は教えてくださいね。
4-4.看護師を頼る


先ほどもお伝えしましたが、どうしても不安が強い方は遠慮せず看護師に声をかけてくださいね。
器具のサイズを小さくしたり潤滑剤を多くするなど、できるかぎり工夫します。
手を握ってそばにいることもできます。
実際に私も、不安でいっぱいの患者さんにはそうしていましたし、心強かったと言ってもらえることが多いです。
5.婦人科で内診台に座るときの3つのポイント


内診台(ないしんだい)とは、婦人科の診察をするための椅子のことです。
一般的な動きは、座ると90~180度くらい回転して着替えのスペースから医師のスペースへ移動し、後ろに倒れて、両脚が開きます。
5-1.背もたれに寄りかかる
椅子が動くので、身を乗り出すとシンプルに危ないからです。
お腹やお尻に力が入ると診察中に痛みを感じる人もいるので、寄りかかって力を抜きましょうね。
5-2.服をまくり上げて濡れないようにする
診察中に水や潤滑剤を使うことがあるので、おしりをつたって服が濡れるかもしれないからです。
5-3.台の動きが止まってから降りる
診察が終わり、安心して降りようとしたときに椅子が回転するかもしれません。
ぶつかると危ないので、止まるまでお待ちくださいね。
6.婦人科の診察を知ることで「こわいけど行ってみよう」になりますように
- 婦人科が怖い3つの原因を乗り越えるには知ることが大事
- 診察内容が不明:よくわからないことは怖いので、何をされるか知りましょう
- 恥ずかしい:はずかしさはタオルや女性医師の指名でやわらげる
- 痛そう:痛みの不安は実際に脳を刺激して痛みを感じやすくするのでリラックス
- 膣鏡診(ちつきょうしん)は、口ばしみたいな道具を使って目で見る診察
- 超音波(=エコー)は、電動歯ブラシの先が丸いような器具を膣に入れて画像にして見る診察
- 内診(ないしん)は、医師が膣に指を入れて子宮や卵巣の状態を触って診察する方法
- リラックスするコツ①息を吐いて力を抜く
- リラックスするコツ②楽しいことを考えて気をそらす
- リラックスするコツ③カーテンを開けてみる
- リラックスするコツ④看護師を頼って一緒に乗り越える
- 内診台は背もたれに寄りかかって力を抜きましょう
- 内診台に座るときは上の服をまくり上げて濡れないようにしよう
- 診察が終わったら台の動きが止まってから降りましょう
最後まで読んでくださりありがとうございます(^^)/
婦人科の診察は避けられがちですが、生理や更年期症状などの相談は生活の質に大きく影響を与えるし、がんの早期発見は命にかかわるとても大事なことです。
婦人科に行きたいけど行けなかった人が、少しでも勇気をもてるようになればいいなと心から願っています。
婦人科関連の記事を今後も書いていく予定です。興味のある方はぜひ読んでいただけると嬉しいです。

